2024年4月、第2ゲートからグラバー園を観光してきました。
グラバー園は2024年9月に開園50周年を迎える、長崎屈指の人気観光スポットです。
- 居留地時代の洋館を見学できる
- 長崎港が一望できるロケーションにある
グラバー園と聞いてイメージするのは ↑ の写真ではないでしょうか?
写真は「旧グラバー住宅」です。
実は園内には旧グラバー住宅だけではなく、伝統的な洋館が全部で9棟あります。
洋館が9棟なんて
観光ボリュームたっぷり!
そんな見どころ満載のグラバー園の観光が、この記事で少しでもスムーズになれば幸いです。
観覧停止中の洋館
2024年4月時点で、旧オルト住宅と旧地方裁判所長官舎は保存修理工事のため観覧停止中です。
- 旧オルト住宅
令和7年11月まで観覧停止予定 - 旧地方裁判所長官舎
令和6年9月まで観覧停止予定
大浦天主堂の建築者でもある大工小山秀之進さんによって建てられた、旧オルト住宅は国指定重要文化財。
ぜひとも見学したかった…残念!
これから先も長く保存していくために必要な工事なので、またの機会に訪れたいと思います。
洋館2棟が観覧停止中だったのと、後に紹介する「自由亭」が満席で利用できなかったので、今回のグラバー園の所要時間は約60分(1人で黙々と見学)でした。
複数人だと、写真を一緒に撮影したり、資料の読むスピードが異なったりすることが予想されるので+30分~60分を要する可能性があります。
洋館まとめ
グラバー園内に全部で9棟ある洋館をまとめました。
第2ゲートから観光する場合や、第1ゲートからすぐに動く歩道に乗って高い位置から観光を始める場合は、この順番で見学するのがベターです。
- 旧三菱第2ドックハウス
- 旧長崎高商表門衛所
- 旧長崎地方裁判所長舎(観覧停止中)
- 旧ウォーカー住宅
- 旧リンガー住宅
- 旧オルト住宅(観覧停止中)
- 旧スチイル記念学校
- 旧自由亭
- 旧グラバー住宅
移築・復元されたもの
洋館9棟の内、6棟は元々長崎市内の別の場所に点在して建っていました。
現在は、歴史的価値の保存・観光資源の充実・文化遺産の継承などの理由からグラバー園に移築復元されています。
- 旧三菱第2ドックハウス
- 旧長崎高商表門衛所
- 旧長崎地方裁判所長舎
- 旧ウォーカー住宅
- 旧スチイル記念学校
- 旧自由亭
グラバー園に
集めてくれているおかげで
効率良く見学できますね!
それでは、グラバー園内の見どころについて紹介していきます。
第2ゲート
南山手レストハウスで休憩した後にグラバー園を訪れたので、今回は第2ゲートから観光スタート。
第2ゲートはクレジットカード払い不可なのでお気をつけください。
チケット購入時にイオンマークの付いたクレジットカードの提示がお得。
1人で訪れましたが団体料金(大人100円引・高校生60円引・小中学生40円引)で入園できました。
- イオンカード1枚につきグループ全員に割引適用
- 現金払い
- 他の割引と併用不可
- 4/29~5/7・8/11~15・9/16~18・12/29~1/8は除外
- 2024年4月時点の情報
JAF会員証の提示も、会員含む5名まで同様の割引が適用されます。
旧三菱第2ドックハウス
グラバー園の第2ゲートから入園してすぐにある2階建ての白い建物は旧三菱第2ドックハウス。
元々は長崎市飽の浦町にありましたが、1972年(昭和47年)にグラバー園に移築されました。
旧三菱第2ドックハウスは1896年(明治29年)に、三菱造船所第2ドック建設時に近くに建てられた外国人乗組員用の宿舎。
ドックとは造船所の
主要施設で、船の建造や修理を
担う場所のことです。
グラバー園内にある洋館の中で、私はこの旧三菱第2ドックハウスに1番長く滞在しました。
建物内では日本の造船業の歴史をはじめ、明治時代の日本の急速な産業の発展などについての資料を展示。
壁にプロジェクションマッピングのように投影した画質の良い映像や、大画面5連マルチモニターを用いた説明など、分かりやすい展示が多数。
内容はもちろん、展示手法自体にも技術革新を感じました。
眺望
旧三菱第2ドックハウスの2階のベランダや、建物前の池のあたりからの眺望は抜群。
遠くには稲佐山の展望台や造船所が見えます。
見晴らしの良い眺望に加えて、手入れが行き届いた彩り豊かな花や草木に癒されました。
レトロ写真館
旧三菱第2ドックハウスでは、有料で居留地時代をイメージしたレトロな衣装を貸し出し中。
晴れている日は着用して園内を散策できます。
映える写真が
たくさん撮れそう!
- 料金
- スタンダードプラン
- 30分 2000円
- 60分 3000円
※15分延長ごとに1000円追加
- 修学旅行プラン
- 45分 2000円
※15分延長ごとに1000円追加
- 45分 2000円
- スタンダードプラン
- 2024年4月時点の情報
VR体験
旧三菱第2ドックハウスでは、VR体験(1回500円)で長崎の街並みや、グラバー家のエピソードを楽しむことができます。
- 午前の部 9:30~11:00(最終受付)
- 午後の部 13:00~16:30(最終受付)
上記の時間内で随時上映
- 2024年4月時点の情報
旧長崎高商表門衛所
続いて旧長崎高商表門衛所へ。
1905年(明治38年)頃に建てられ、長崎市片淵にありましたが、1976年(昭和51年)にグラバー園に移築されました。
旧長崎高商表門衛所がかつて建っていたのは、長崎高商に通う当時の学生が通学の時に渡る橋のたもと付近。
長崎高商とは長崎高等商業学校のことで、現在の長崎大学経済学部の前身となる学校です。
外観を見学し、看板の説明を読んだだけだったのですぐに見学を終えました。
ベンチ・自動販売機
旧長崎高商表門衛所の横には長崎港を見渡せるベンチや自動販売機、お手洗いがあります。
ベンチの近くには長崎市内の主要観光スポットを示す案内標識が。
この案内標識によるとグラバー園から眼鏡橋までは1.9kmとのこと。
意外と近いんですね!
石畳
グラバー園内の移動中の足元は、ほとんどが下りの傾斜がある石畳や石の階段でした。
そして園内の石畳には3個のハートストーンが隠されています。
ネタバレを見ず自力で探そうとしたものの、1個も見つけられず(泣)
ハートストーンの場所は
窓口でチケットを買った時に
渡されるパンフレットに
載っていますよ!
旧ウォーカー住宅
続いて旧ウォーカー住宅へ。
平屋建てですが、高台に位置する場所にあるのでベランダからしっかり長崎港が見えます。
1890年(明治中期)頃に建てられ、大浦天主堂横の祈念坂沿いにありましたが、1974年(昭和49年)にグラバー園に移築されました。
旧ウォーカー住宅の内部にはオシャレな家具が多数。
手前に柵があるのでこれ以上は部屋の中に入れません。
グラバーカフェ
グラバーカフェで少し休憩することに。
注文したのはカルツォーネ・バジル&チキン(税込500円)。
熱々で美味しかったです!
- スープ
- ソフトクリーム
- ポップコーン
- ソフトドリンク
- コーヒー
- アルコール類
- ビール
- ハイボール
- ウィスキーなど
- 2024年4月時点
ちなみに、グラバーカフェで扱うビールはキリンビール推し!
それもそのはず。
「キリンビール」の発売に深く関わったトーマス・ブレーク・グラバーは、「旧グラバー住宅」を建て、最初に暮らした人なのです。
トーマス・ブレーク・グラバー
「キリンビール」発売に深くかかわった外国人がいます。長崎の観光名所「グラバー邸」にその名を残すトーマス・ブレーク・グラバーです。グラバーというと、幕末に坂本龍馬や西郷隆盛らと幕府転覆に奔走した商人としても知られています。明治維新が成ったのちも、グラバーは日本に滞在し続け、炭坑の開発や三菱の事業拡大など、日本産業界の発展に大きな足跡を残しました。そうした彼の業績の一つに、ビール産業への寄与が挙げられます。
Vol.9 ビールを愛した近代日本の人々|ヒストリークルーズ|キリン歴史ミュージアム (kirinholdings.com)
晩年のグラバーは、鹿鳴館の書記官を務めました。そうした場では、自らが発売に関わった「キリンビール」を飲むことも多かったのかもしれません。
グラバーカフェ付近にはテーブルと椅子があり、ゆっくりできる休憩スポットになっています。
屋根やパラソルみたいなものは無いので、雨の日の利用は厳しそうです。
- 営業時間 10:00~17:00(O.S.16:30)
- GW(4/27~5/5)は延長 10:00~19:00(O.S.18:30)
- 定休日 無休 なし
- 2024年4月時点の情報
プッチーニ像・三浦環像
先ほどの休憩スポットからプッチーニ像や三浦環像を見ることができました。
旧リンガー住宅
お次は、休憩した場所から見えていた旧リンガー住宅へ。
旧リンガー住宅は、1868年(明治元年)頃に建てられた国指定重要文化財です。
洗練されたデザインの外観に見とれてしまったせいか、建物近くから撮影するのを失念。
海外のビーチ沿いにも合いそうな、とてもオシャレなデザインだったのでぜひ立ち寄ってください。
建物内では居間や応接室を見学できました。
またもや手前に柵があるのでこれ以上は中に入れません。
ここに住んでいたリンガーさんと、明治時代に「極東一の豪華ホテル」と謳われたナガサキ・ホテルに関する資料が見学できます。
平屋建てでありながら、大きな4つの部屋が設けられていて広かったです。
旧スチイル記念学校
旧スチイル記念学校は、1887年(明治20年)に東山手9番の英国領事館跡地に建てられました。
この学校は建てられたその年に開校し、その後は増改築が繰り返され、1973年(昭和48年)グラバー園に移築されました。
建物内の資料は写真が多かったです。
ほとんどの部屋は、教育イベントなどで使われる時以外は立ち入りができないよう閉ざされていました。
旧自由亭
1863年(文久3年)に日本人初の小さな西洋料理専門店「良林亭」を開業した草野丈吉さん。
あとの1878年(明治11年)に長崎市馬町で開業した西洋料理店が「自由亭」です。
草野丈吉さんの死後「自由亭」は閉業し検事正官舎として使われ、1974年(昭和49年)グラバー園に移築されました。
現在はコーヒーやカステラを楽しむことができるカフェになっています。
ぜひとも利用したかったのですが、週末だったこともあり5組待ちなので断念。
- 営業時間 9:30~17:15(O.S.16:45)
- 定休日 無休 なし
- 2024年4月時点の情報
西洋料理発祥の碑
旧自由亭の傍には西洋料理発祥の碑があります。
旧グラバー住宅
旧グラバー住宅は第2ゲートから最も離れている洋館なので、最後に見学することになります。
イギリス人のトーマス・ブレイク・グラバーは、1859年9月に上海から長崎に来て、グラバー商会を設立して貿易を行いました。はじめは住まいを転々と変えましたが、景色が美しい南山手のこの地に、接客を主な目的とした木造の洋館を建てました。この建物は日本で最も古い木造洋風建築で、屋根は桟瓦(さんがわら)葺きです。解体修理のときに発見された大工の墨書によって、1863年に完成したことが確認されました。のちにここはグラバーの居住の拠点となり、建物の平面形態は、はじめはL字型でしたが増築や模様替えが行われ、明治の中期にはほぼ現在のクローバーに似た型となりました。大浦天主堂などを建造した、天草の小山秀(こやまひで)が建築の指揮をとったと思われます。 グラバーは、造船・炭坑・鉄道等の新しい技術を日本にもたらし、日本の近代文明の進展にも尽くしました。また、江戸時代の政治機構を廃止し、新しい政府の設立を目指した藩(薩摩藩、長州藩、土佐藩)を支援することで、明治時代に向けての政治的な改革の推進に大きな役割を果たしました。
グラバースカイロード | スポット | 長崎市公式観光サイト「travel nagasaki」 (at-nagasaki.jp)
ここまでグラバー園内の素敵な洋館を巡ってきました。
その中でも旧グラバー住宅が最も注目されている理由は、大きく2つあります。
- 日本で最も古い木造洋風建築
- 「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産として世界遺産に登録されている
旧グラバー住宅は1863年(文久3年)に建てられた後、増築や模様替えを経て、1887年(明治20年)頃ほぼ現在の姿になりました。
約3年に及んだ大規模な改修工事を2021年に終え、まだ数年しか経っていないこともあり保存状態はとても良好。
網目のようにとても細かく造り込まれたベランダ部分の天井が圧巻!
見上げずに建物内に入りそうになりますが、ぜひ一度立ち止まってみてください。
建物内に入ると、まずは太陽の光がしっかり差し込む温室が。
ぐんぐんと植物が育ちそうです。
他の洋館と同様、当時の資料や古写真を基にした当時の暮らしぶりが再現されています。
レンガが洋風の雰囲気を醸し出す厨房。
裏庭や中庭の草木も見どころです。
トーマス・ブレイク・グラバー像にも立ち寄りました。
石のアーチを通り抜け、グラバー園の出口に向かいます。
フォトサービス
旧グラバー住宅を訪れた時、ちょうどフォトサービス開催中で写真を撮ってくれました。
シャッター時の掛け声が
独特で、1人だとちょっと
恥ずかしかったけど(笑)
その場で自分と旧グラバー住宅が写ったミニ写真を印刷してくれ、なんと無料でプレゼントしてくれました。
別途有料でフレーム付の特別サイズを購入することができるので、旅の思い出にぜひ!
- 営業日 不定休
- 営業時間 9:00~16:00
- GW期間中(4/27~5/5)は10:00~17:00
- 受付場所 旧グラバー住宅前
- 荒天時は長崎伝統芸能館
庭園
庭園に辿り着いたら、グラバー園の観光は終盤。
4月なので桜がヒラヒラと散り始めていました。
長崎伝統芸能館
最後に、グラバー園の出口付近にある長崎伝統芸能館に立ち寄りました。
こちらでは「長崎くんち」に奉納される曳物、傘鉾、担ぎ物などが展示されています。
「長崎くんち」とは、毎年10/7~10/9の3日間開催される長崎の氏神「諏訪神社」の秋季大祭のことです。
館内では賑やかな音楽とともに、映像でお祭り気分を味わうことができました。
展示物は全て長崎くんちの本番で使用されたもの。
とっても豪華な飾りが施されていました。
貿易のために来航したポルトガルをイメージする「南蛮船」から、異国情緒あふれる長崎らしさを感じました。
売店を通り抜け、グラバー園の観光は終了。
第2ゲートと異なり、第1ゲートは自然に囲まれているので、なんだかテーマパーク感が増しますね!
グラバー園の第1ゲートを出た場所は売店が建ち並ぶ石畳のグラバー坂でした。
- 所要時間 60分~90分
※訪問時、旧オルト住宅・旧地方裁判所長官舎は観覧停止中 - 営業時間 基本8:00~18:00(最終入園受付は20分前)
※別途、夜間の開園日多数
公式HPからご確認ください。 - 料金
一般 620円
高校生 310円
小・中学生 180円
※別途、団体など割引料金あり - 定休日 なし
- アクセス 路面電車・バス「石橋」から、グラバースカイロードを利用して約3分
- 2024年4月時点の情報
おわりに
素敵なグラバー園観光に
なりますように!
長崎市内で他に観光スポットをお探しの方は、関連記事を併せてどうぞ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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